母さんラプソディー


卵 人参 ビール 消しゴム…

手の平には

走り書きの買い物メモがおどってる。


洗うか 干すか 畳むのか、

一日のどこかで

いつも洗濯物とご対面。


子どもたちを寝かしつけたら、

今日こそやろうと決めていた、

あれやこれ。

気づけば朝日が昇ってた。


そうして迎えるのは

昨日が終わり切らない今日。

今日が終われば明日のおかず、

明日が終われば明後日の夕餉。


あっという間にやってきた月末は

ゼロに近づく

通帳を片手に頭を抱える毎日かあさん。

ふと、気がつけば、

手の甲にはシミがにじみ、

十年前と変わらぬ髪型、同じ洋服。

「いっくんちのママってきれいなんだよ。」

「あーちゃんちのママってやさしいんだあ」

そんな言葉にあっさり傷つきながら、

そのような初々しい心を失っていない自分を

少し笑い、少し褒め、子どもの手を握る。


母さんはおしゃれママにはなれないし

特別にやさしいわけでもない。

だけど、代わりのいないあなたの母さん。

あなたをただただ想って生きている。

どんなに望んでも

私は私以外にはなれないから

このままでいいんだ。

そうやって少しずつ自分を許しながら

今日も私なりの母さん道を歩いていく。


茜色の空の下を歩いたあなたとの帰り道が

思い出になっていくことを

淋しい

と思いながら

 ああ、今日も夕日がきれい

草原のコトノハ

母たちの唄 益子由実 YUMI MASUKO

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