夏の朝のオムレツに。

世界でひとつのオムレツ。

「もし、変えられるなら
なんて名前がいい?」

と、昔付き合ってた彼に聞かれて

「生まれ変わっても由実がいいな」
と、答えた。

我ながらいいこと言えた…
と思う。
今でも。

親になって。
命名は
子どもの幸せだけを願って行う
初めての大仕事だった。

一生で最も多く呼ばれることになるであろう音
一生で最も多く書くことになるであろう
文字
幸せだけを願って
短い仮名に込める。

親が必死で絞り出した
ひとしずくの仮名を
背負って
あなたの人生が色づいていく。

自分の名前を書いてもらったり、
どこかに見つけたり、
そういう瞬間に
純粋に喜んでいる姿を見ると
良かったな…と思う。

自分の名前を愛してくれたら
母さんは嬉しいのです。

草原のコトノハ

母たちの唄 益子由実 YUMI MASUKO

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