お母さんは文化だ
母さんが「きれいなお花ね。」と言えば
子どもは美しさを知る。
母さんが「お天道様が見ているからね。」
と言えば
子どもはずるさから身を引くことを
覚える。
子どものついた嘘に母さんが涙すれば
子どもは誠実であることを学ぶ。
母さんの栗ご飯の香りと味噌汁の湯気に
子どもはうつりゆく季節を感じる。
日々、日々。
躾、というほど大げさでもなく
気づけばいつもある小さな日々の
母さんの立ち居振る舞い。
そういうものが
子どもたちの中に染み込んでゆく。
母さんの思う美しさは
子どもの美しさとなり
母さんの信ずる誠は
子どもの誠となり
母さんのもつ善は
子どもの善となる。
子どもに深く染み込んだ母さんの気配が
子どもに帯びた日々の母さんの面影が
その国の文化になってゆく…
ーお母さんは文化だー
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