人知れず

お陽様の匂いの残る洗濯物をたたみながら

ぶつぶつ

ぶつぶつ

気づくといつもつぶやいている


昨日は怒りすぎた、ごめん

どうして優しくできなかったんだろ・・

最近、ご機嫌だね、何かいいことあったかな

あなたのことはいつも心配してる

あの時、本当はとてもうれしかった


長女のシャツをたたみながら

長女へ

次女の下着をたたみながら

次女へ

三女の靴下のかかとを合わせながら

三女へ


言葉にするとウソになってしまいそうな

言葉になる前の

母さんの本当の気持ち

言えなかった ごめんね

届かなかった ありがとう


たたみながら込めたら

この宙に浮いたままの気持ちが

そっと伝わるような気がして


草原のコトノハ

母たちの唄 益子由実 YUMI MASUKO

0コメント

  • 1000 / 1000