或る記念日に
ヒトは…変わる
相手が変わっていくことを
どれだけ相容れることができるだろう
若きも老い
強い心も病みがちになり
健常と呼ばれた体も障がいをもったり…
ましてや
意識や思考や情熱の矛先が
変わっていくことを
変化は成長の一部だと分かったところで
相手のそれをどれだけ相容れていけるだろう
変わっていくことを
万に一つも思わずに交わした若い契りが
色褪せていくのを
見つめなおす努力と勇気のないまま
何となく素通りして曖昧に濁して
子どもたちに
仲の良い夫婦の姿を
見せてやれなかった日々がある
或る記念日に子どもたちからの贈り物
「いつもありがとう」の声と
芳しい花束の裏側に
痛いくらいに貼りついているのが
「父さん、母さん、仲良しでいてね」
という切なる願いであることを…
変わっていく夫婦の真ん中で
変わらず続く
子どもたちの永遠の祈りであることを…
黙っていてもわかっている
ふたりでいたいのです
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