情熱
時々、手に負えない自分がいる
生きていることの希望と絶望
母の教えがすでに自分の面影として在る、
と気づかされた時か、
子どもを叱りとばした涙の跡にか、
大根を切っている横で漂う味噌の匂いにか、
或いは、何気なく聞いていたメロディーの中にか、
日常のひとひら、鋭い断片に
ふと、生きていることへの
熱を帯びた情がこみあげて
たまらなくなるんだ
どうすることもできない
心さえ為すすべはなく
身体はもはや…
あふれ出す出処のわからない情熱で
胸が張り裂けそうになる
ー生きることへの情熱ー
そこへの微かな自信だけが
今日を動かしていく
生きているんだ。どうしようもなく。
おなじ空の下で朗らかに笑うあなたにも
こみあげる生きることへの熱さに
静かに震える朝があるのだろうか
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