書けないでいる
書けないでいる。
胸を刻む表象は
突き上げるほどある気がするのに、
言葉を
文法を
自分の書き方を…
忘れてしまった。
うんうん唸っても
ひねりあげても
しぼりだしても
カラン コローン
マヌケな音が出てくるだけ。
今までの書き方は
自分の中でもう通用しなくなったんだ。
手のうちにあるものは
変わらぬ情熱とささやかな希望。
そして細胞すべてを開いた
自分を信じる力。
大丈夫。
私ならきっと、
大丈夫。
呪文のようにつぶやきながら
新しい可能性と
新しい世界を創り出すための
生みの苦しみを味わい
決してあきらめず、
必死にもがいている
私と同じような人たちに
今、この「書けないでいる」
を捧げたい。
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