2021.05.12 07:11彼の理由ダウン症の彼は言葉では発信しないけどたくさんの表現で教えてくれる。自分の感覚をフルに使ってそれを通訳し彼と共通言語をもつのが私の仕事。そんな彼。外出や散歩の時に必ず曲がりたがる角がある。つないだ手を振り払って迷いなく曲がる。でも避難訓練中だったりみんなと一緒に行かなきゃならなかったり…慌てて方向修正してみんなを追いかけてものだった。だけどずっと気になっていた。彼が曲がりたがる道の先に何があるのか。...
2017.06.20 05:52幸せのヒント夫と喧嘩した。しかも、かなり派手に。台所の布巾が飛び交うほど。(投げるのは壊れないものと決めている。)男女の脳の作りの違いを重々に承知して発言するように、普段から相当に気を付けている。なのに、とってしまった。ため込んで爆発するっていう方法。男の人の脳は、昨日のことを今日言ってもダメで、その時にその場で言わないとわからないのだ。さらに、女の人があの時のあの言葉を、こんなにも執念深く覚えているとはつゆ...
2017.05.22 02:57手間と時間この春、中学生になった長女。朝から不機嫌・・・。昨日買ったばかりのテープ糊が壊れた、様子。だいたいにおいて、いろんな機能をひとつにまとめて便利にしちゃったものは、すぐ壊れるし修理が利かない、と思い込んでいる昭和の香りぷんぷんの母なので、心の中で「だから言わんこっちゃない。糊は手を使って貼れ!」ぐらいに思っている。そういうことはたいがい1日が始まる慌ただしい朝食のテーブルで起きる。で、その日のスター...
2017.04.24 02:48心をつくった人先日親友と親友のお母さんの3人でお茶をするという素敵な機会があった。遠路はるばるこの田舎町に来てくれるのだから…と私は張り切って、その日のコースを考えた。海も見せたかった。山も見せたかった。おいしいコーヒーも飲ませたかった。そのすべてを現実のものとしながら、女三人話は自然と幼い日の娘と母、それを取り巻く家族のことになっていった。
2017.03.13 04:56あたりまえを作るもうずいぶんと前から三女のパジャマのボタンが取れている。気づいているけれど、日々の慌ただしさが針と糸を遠ざけていた。ある日、何を勘違いしたのか洗面所でパジャマに着替えていた三女が飛び跳ねて言った。「わあ!かか、ボタンつけてくれたんだね、ありがとう。」何かを見まちがえて、ついてないボタンをつけてくれたと勘違いしたのだ。その喜び方があまりにも無邪気で嬉しそうだったので繕いを後回しにしていた私の心は大い...
2017.01.27 03:23子どもはずっと待っている育てる者の朝は、いつも慌ただしい。その日、学校へ出かける長女を玄関で見送り、次女を養護学校のスクールバスに乗せ、三女だけが保育園をずる休み。時々、仕事が休める平日はそんなことがある。もろもろのことが片付いたので、リビングのちゃぶ台の前に座った。それまで、ちゃぶ台の周りでひとり遊んでいた三女が、私が座ったのを見て遊んでいた手を止め、言った。「かか、座ったの?」ちょっと驚いた表情で、もう一度何かを確か...